口腔外科

  • TOP > 
  • 口腔外科

Surgery 「親知らず」や「できもの」が気になったら口腔外科へ

長崎県長崎市の歯医者「野島歯科医院」では、「お口の健康をトータルで考える全顎的(ぜんがくてき)な治療」というコンセプトから、口腔外科にも力を入れています。

「親知らずの周辺が腫れてきた」「口腔がんについてチェックしたい」「口の中のできものを取りたい」「子どもの口内炎が治らない」といったお悩みがあるなら、口腔外科の受診をご検討ください。適切な治療によって、痛みや症状の再発などを抑えることができます。

親知らず

親知らずとは?

親知らずとは?

「親知らず」は前歯から数えて8番目の位置にある歯のことで、「第三大臼歯」と言います。計28本の永久歯が生えそろった後、20歳前後に生えてくることが多いのが特徴。顎が小さいと親しらずが真っ直ぐ生えてこないことも多く、周囲の歯や歯周組織にトラブルを招いてしまう可能性があります。

「親知らずは必ず抜かなければならない」ということはありませんが、以下のような場合には抜歯を選択することになります。

抜歯する必要がある親知らずとは
  • 横向きに倒れて生えている場合
  • 歯列に悪影響を及ぼしている場合
  • 上下の歯が噛み合っていない場合
  • 炎症・痛みなどが起こっている場合

その一方で、親知らずがまっすぐ生えており、トラブルなども起こっていない場合は、抜歯せずに残しておいても問題ありません。親知らずが気になる方は、一度歯科医師に口腔内をチェックしてもらいましょう。

親知らずの抜歯

親知らずの抜歯

親知らずを抜歯する処置は、基本的にその日のうちに完了します。抜歯後に縫合を施した場合は抜糸処置などのために後日ご来院いただくこともありますが、治療のために何度も通院する必要はありません。「親知らずの抜歯は怖い」というイメージをお持ちの方は多いですが、麻酔や痛み止めの薬、抗生剤などを使って痛みの少ない処置を行うことも可能です。

抜歯後の腫れについて

親知らずが歯ぐきに埋もれてほとんど出ていないケースでは、歯ぐきを切開して抜歯を行います。切開によって歯ぐきが腫れることもありますが、1~3日程度で落ち着いてくるのが一般的です。親知らずの状態によって腫れが少ない場合もありますが、処方された薬は飲むようにしましょう。

妊娠中の親知らず治療はどうすべき?

体調が安定しない妊娠中の親知らず治療は、できるだけ避けるのが望ましいと言えます。それでも治療を考えたい場合は、安定期と言われる妊娠中期に入ってからがよいでしょう。妊娠中であっても、痛み止めや局所麻酔などを使用することは可能です。

口腔がん検診

口腔がんとは?

「口腔がん」は文字通り、口の中にできる「がん」のことです。口腔内では、歯以外のすべての場所にがんができる恐れがあります。中でも多いのが、舌や歯ぐき、頬の粘膜です。初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどなく、気付いたころにはすでに進行している場合もあるので注意が必要です。治らない口内炎やしこり、できものなどを原因とする違和感がある場合は、口腔外科を受診してみましょう。

口腔がんを招く原因

口腔がんは、生活習慣や食習慣が原因となるケースが多くあります。知らず知らずのうちに口腔がんのリスクを高めていないか、確認してみてください。

口腔がんの主な原因
  • 乱れた歯並びの放置
  • 過度な飲酒習慣
  • 悪化した虫歯や歯周病の放置
  • 乱れた歯並びの放置
  • 治らない口内炎の放置
  • 口腔内の粘膜や唇をよく噛む
  • 舌や頬の粘膜を噛む癖

こうした生活習慣や日頃のくせなどを改善することで、リスクを減らせる可能性があります。

口腔がん検診

口腔がん検診

あまり知られていませんが、日本では近年、口腔がんの罹患率や死亡率が増加傾向にあります。こうした数字を減らす一番のポイントは、がんをできるだけ早く発見すること。口腔がんのリスクを減らすと同時に、定期的な検診によって口腔がんの早期発見に努めることが大切です。
長崎県長崎市の「野島歯科医院」では、提携している検査機関と連携した口腔がん検診を実施し、正確な診査・診断に努めています。通常の定期検診に加えて年に1度は口腔がん検診を受け、口腔がんのリスクに備えましょう。お口の中に出来物や違和感のある方はご気軽にご相談ください。

嚢胞摘出術

体内に生じた袋状のできものを「嚢胞(のうほう)」と言います。上皮によって覆われ、内部には液体が入っている嚢胞は、歯ぐきや舌、粘膜などにできることもあれば、骨の中にできることもあります。口腔内の病気のうち4分の1から3分の1を占めると言われるほど、歯科では非常に頻度の高い病気です。

口腔内にできる嚢胞にはいくつか種類があり、大きく「顎の骨に発生する嚢胞」と「軟組織に発生する嚢胞」に分けることができます。

顎の骨に発生する嚢胞
歯根嚢胞

歯根嚢胞(しこんのうほう)は、歯根部分にできる嚢胞です。むし歯が重度の段階まで進行して歯髄に感染が起こり、その感染が歯根の尖端まで波及すると「根尖性歯周炎」というトラブルになります。根尖性歯周炎が慢性化すると、歯根嚢胞が発生します。顎の骨に生じる嚢胞の50%以上を占める、出現頻度の高いトラブルです。

歯根嚢胞は根管治療によって治癒する可能性もありますが、改善しない場合やそもそも根管治療ができない場合は、手術によって嚢胞を摘出します。原因となっている歯の状態が良くないケースでは、嚢胞の摘出と同時に抜歯を行うこともあります。

含歯性嚢胞

含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)は、歯が発生する組織の上皮にできる嚢胞です。埋もれている親知らずの歯冠を取り囲むように嚢胞ができていることも多く、「嚢胞があることに気づかず、レントゲン撮影をした際に偶然発見された」というケースも珍しくありません。初期段階では自覚症状がないので、顎の骨を溶かしながら知らず知らずのうちに少しずつ大きくなっていきます。

治療は嚢胞の摘出が基本となり、歯根嚢胞と同様に原因となっている歯の状態が良くない場合は抜歯を行います。前歯や小臼歯の場合は嚢胞を切開し、埋伏歯を萌出させることもあります。

歯原性角化嚢胞

歯原性角化嚢胞(しげんせいかっかのうほう)は、主に歯胚(歯のもとになる芽)組織が変化してできる嚢胞です。以前は「角化嚢胞性歯原性腫瘍(かっかのうほうせいしげんせいしゅよう)」という名称で良性腫瘍に位置づけられていましたが、2017年にWHOが分類を変更し、それとともに名称も変わりました。顎の骨の内部、とくに下顎角部から下顎枝部において発生することが多いと言われています。

歯原性角化嚢胞は、手術によって摘出します。再発しやすいので、取り除く際には病巣が接している面の骨を削り取ることが推奨されています。大きい嚢胞の場合は、開窓療法(かいそうりょうほう)により嚢胞を縮小させてから摘出する方法もあります。

術後性上顎嚢胞

術後性上顎嚢胞(じゅつごせいじょうがくのうほう)は、上顎洞炎(じょうがくどうえん、いわゆる「蓄膿症」)の手術から長い年月が経過したケースで上顎や頬部に生じる嚢胞です。症状がないまま進行していき、頬の違和感や鼻づまり、感染による顔面腫脹などの症状が見られるようになります。

治療は嚢胞の摘出が基本ですが、鼻腔を切開することもあります。

軟組織に発生する嚢胞
粘液嚢胞

粘液嚢胞(ねんえきのうほう)は、粘膜の内側に唾液が貯留することによって生じる嚢胞です。口の粘膜を噛んだり、歯の鋭利な部分に粘膜が擦れたりすることで唾液腺が破損し、唾液の貯留が起こりやすくなります。唇や舌の下に多く見られるのが特徴。舌下腺から分泌された唾液が口の底に溜まることで生じる粘液嚢胞を「ラヌーラ(ガマ腫)」と言います。

治療では、原因となった唾液腺と同時に嚢胞を除去します。大きいラヌーラの場合は、嚢胞の一部を切開することもあります。

類皮嚢胞・類表皮嚢胞

嚢胞を形成する壁(上皮)が皮膚と同じような組織からなる嚢胞のうち、嚢胞壁に毛や皮脂腺、汗腺などの皮膚付属器を含んでいるものを類皮嚢胞(るいひのうほう)、そうでないものを類表皮嚢胞(るいひょうひのうほう)と言います。口腔領域において発生頻度は低いですが、口の底の正中部に発生するケースが多く見られるのが特徴です。嚢胞が大きくなると顎の下が腫れ、舌が後方に押されて発音障害や嚥下障害を招くこともあります。

治療は嚢胞の摘出が基本です。嚢胞の大きさや位置に応じて、口底部や下顎の下方を切開します。

骨隆起

骨隆起とは?

顎の骨がコブ状に厚く膨らんでいる状態を骨隆起(こつりゅうき)と言います。上顎の中央にできる口蓋隆起、下顎の内側にできる下顎隆起、歯茎に沿ってできる歯槽隆起があります。歯ぎしりや食いしばりなどが原因とも言われていますが、詳細は明らかにはなっていません。刺激が加わるほど隆起は徐々に大きくなっていきます。

除去したほうがよい骨隆起について

骨隆起は悪性のできものではないので放っておいても問題ないことが多いのですが、除去したほうがいいケースもあります。

  • 入れ歯を装着する際に骨隆起が邪魔になる場合
  • 過度な飲酒習慣
  • 骨隆起が大きくなり、発音障害が出たり発声がしにくかったりする場合
  • 骨隆起と顎の骨との間に食べものが挟まりやすく、不衛生な場合
  • 押し上げられた粘膜に物が当たって痛みを感じる場合

隆起が比較的小さい場合は、口腔外科手術が可能な歯科医院で処置を行うのが一般的です。